カウンセリングサロンArk(アーク)杉並のBlog

東京都杉並区にある、臨床心理士によるカウンセリングサロンArkのBlogです。HPはこちらになります→https://arksuginami-cs.jimdofree.com

心理学との出会い

 ご覧頂きありがとうございます。杉並サロンカウンセラーの加藤です。

 

 ここ最近で子どもの頃に好きだった映画を見返しまして、今になって観るとまた違った楽しみがあっていいなと思った次第です。

 

 そこで、私と心理学が出会った最初の映画はこれではないかというのが見つかったので紹介したいと思います。

 

 その映画のタイトルは『MASK』です。1994年に公開されたもので、ジム・キャリー扮する冴えない銀行員スタンリー・イプキスが不思議なマスクを拾ったことで、超能力を得た上に陽気な本性を引き出されるという筋の映画です。

 

 緑色のマスク姿を覚えている方もいるのではないでしょうか。実写でありながら、アメリカンコミックのような演出が印象的な作品です。

 

 実はこの中にユング心理学が登場しているのです。その用語のペルソナ(仮面)という概念について研究する心理学者が登場します。

 

 人は誰しも社会的な仮面をかぶって生活していると作中で語られています。

 社会の中では、その規範の中で自分というものをすべてさらけ出すことはできない。そのために、人は自らの社会的な立場にあった仮面をかぶり、役割を演じているということなんですね。

 

 しかし、マスクをかぶったイプキスは陽気で情熱的、必要とさえ思えば銀行強盗さえ厭わないぶっ飛んだ人物へと豹変します。

 

 マスクによって、イプキスの自分でも気づいていなかった一面が引きずり出されたという解釈もできますね。

 

 ここで面白いのは、ペルソナの下にある一面をマスクをかぶることによって、引き出している点ですね。

 

 概念的な仮面に覆われた本性が、物質的な仮面をかぶせることにより解放される。なんだか逆説的な気もします。

 

 ここでは社会的な匿名性もあるように思えます。

 

 マスクをかぶったイプキスはパジャマなどの証拠から警察に追われますが、そのマスク状態ではイプキスととても同一人物だとは思えないでしょう。

 

 つまりスタンリー・イプキスという社会的役割をもった人格がマスクされてしまっているということになるんですね。

 

 そうすることによって、やっとペルソナに隠された自分でも気づかなかった自分(の一部)に出会うことができるようです。

 

 もちろん個人個人で違う部分もありますが、社会的な役割を外すということには一つ重要な意味があると私は考えます。

 

 そこで現れるのは果たしてどういった自分なのでしょうか。

 

 もし、社会的な立場や本来の自分というものにお悩みの方がいらっしゃったら是非、カウンセリングの門を叩いてみて下さい。

 

 マスクのように超能力を授けることはできませんが、私たちカウンセラーがより良く生きていくためのお手伝いをすることができればと思います。

 

※銀行強盗など犯罪行為はご法度ですけどね。

 

加藤