こんばんは🌝
カウンセリングサロンArk(アーク)杉並の青木です。
今日はいい天気だったし、日中あったかめでしたね🌞✨嬉しみ。
そして今日が土曜日と錯覚しそうですが、3連休だからまだ金曜日🙌得した気分です。
さて今日は、久々に本の紹介をします〜🙌📘✨
『僕には世界がふたつある』ニール・シャスタマン著 金原瑞人 西田佳子訳 集英社
先日図書館にて、金原先生ご翻訳の本を見つけて借りてきたんですよ。中身を確認せず。
久々の児童書で、さて思春期をチラ見しますか★ってな気持ちで、ファンタジーかな??青春かな??と呑気に構えてたのですが…
そでの解説2行目からおやや?となり、末文にはガッツリ、
「精神疾患の予測不能な海を航行する、少年の闘病と成長の物語。」
と書かれており、思春期は思春期なんですけれど、あ、統合失調症の好発年齢(発症しやすい年齢層)ですもんね。そういう世界がふたつあるってことか。となりました。
Amazonの画像は帯付きなので、妄想と幻覚ってはっきり書いてありますね。
主人公はケイダン・ボッシュ君、15歳の少年です。彼と両親、妹の4人世帯。
友達2人と一緒にゲーム作りをしていて、キャラデザを担当するくらい絵が得意。
学校も対人関係もそれなりに上手くやってきた、どこかにいそうなごく一般的な少年。
そんな彼が、ある時から、面識のない学校の子が「自分を殺そうとしている」から始まり、並行して夢の世界で、世界一深いチャレンジャー海淵を目指す不気味な海賊船の船員となり、やがて夢と現実の世界が曖昧になって、自分のせいで何か悪いことが起こるが確信に変わっていき、彼自身でも彼をコントロールできない言動に日常が支配されていきます。
遂に入院し、治療を受けて退院に至るまでがこの物語の流れで、彼の一人称視点で進むのですが、作者の息子さんの実体験をもとにしたということで、折々のケイダン君の心理状況がとてもリアルなように思います。症状の経過も丁寧に描写されています。
私自身が体験したわけではないので、その通りとは言い難いのですが、仕事柄、統合失調症を患っている方からうかがってきた、前駆期や急性期、休息期の内心で考えていたことや、入院時のグループワークや他患者さんとのコミュニケーションの様子に重なる部分が多いものでした。
ケイダン君の両親が、無力感に苛まれているのも切なかったです。
完全に症状のせいなんですけれど、家族や周囲がなんとか介入しようとすることを、自分にとって害意を孕んだものと受け取ってしまうことが多くて、拒否や不信感だけが募ってしまう時期があるんですよね。治療が進むと、害意はないと思える時もあったり、やっぱり不審に思ったりを繰り返して段々落ち着いて行くことが多いのですが、ケイダン君はこれからだ。
印象に残ったのは、「厳しい非現実のなかに厳しい現実がある」っていう文です。
理不尽で容認し難いことですが、これは事実だと思いました。
この本は、統合失調症を患ってる方の心境を少しでも理解したいと思う方や、仕事としてその方たちと関わる機会がある方、将来そういった方と関わる職を検討している方にはオススメかと思います。
当事者の方にとっては、そもそも文字量が多いうえに、内容も症状がガッツリ表出した仕様になっているので、もしかしたらしんどいのではと、個人的には思った次第です。
ただ、著者さんとしては、本書が当事者の方への癒しとなることを願ってらしたので、むしろ癒しになるかも知れないっす。
それでは、本日はこの辺で!
ここまでお読みくださって、本当にありがとうございます🍵
寒いので、暖かくなさってお過ごしくださいませ。
❄️こちらもご覧いただけると嬉しいです❄️
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