こんばんは🌝
カウンセリングサロンArk(アーク)杉並の青木です。
今日もエアコン要らずな天気ですね🌞✨
ちょい前に読んでるって書いた、『自閉スペクトラム症の女の子が出会う世界ー幼児期から老年期までー』(サラ・ヘンドリックス著/堀越英美訳)って本が良かったのでご紹介します。
タイトルの通り、自閉スペクトラム症(以下、ASD)をもつ女性にとって、自分たちの生きている世界はどういったものか、当事者の方たちの視点から語られる本です。
著者はイギリス在住、43歳の時にASDの診断を受けており、現在はASDの方たちのサポート団体を運営なさってます。診断を受ける前からASDの方たちへの支援をしていたそうで、ご主人含め、お身内の大半がASDをもっていたらしいのですが、診断時は自分がASDだとはにわかには飲み込めなかったそう(拒否的な意味ではなく)。
というのも元来自閉症は男性に多い(あるいは特有のもの)と思われてきた時代があり、診断基準が男性ASDの特性に基づいたものであり、女性のASDの方の場合、当事者自身も無意識に社会に合わせた振る舞いを学習し、特性の見えずらさ、自覚しづらさがあるとのことでした。
ある研究では、ASDの男女の社会的・情緒的スキルを調査した結果、ASD女性の方がASD男性よりもスコアが高く、定型発達(発達の偏りがない)の男性と同レベル、そして定型発達の女性よりもスコアが低いことがわかったそうです。
そんな単純な話ではないのですが、わかりやすく言えば、定型発達の男性並みの社会的・情緒的スキルが備わっているともなれば、男性ASDの特性に基づく診断基準では、本人も周囲も誰も彼女がASDという発想にはならないかもしれません。
ままま、本書は2015年にイギリスで発行された本なので、今の見識とも日本の医療現場ともちょっと違うかもしれません。
私が学部生だった頃(2010年代前後)には、精神科医の先生から、「女性のアスペルガー(当時の診断名)は男性アスペルガーとそんな変わらないくらいいる。ただ、女性は対人が男性より密だし多いからか、社会性を学習していて一見そうは見えない人も多い」みたいなことを言われていましたので、もしかしたら日本の精神科医療現場の方が進んでいるのかもしれない。
“一見ASDには見えない”っていうのは、現場に出ると確かに…となりまして、ASDとは別の困難さや課題を抱えてお会いした方の背景に、ASD的な傾向が伺える場合もしばしばです。
心理士は医師ではないので診断をつけることはできないのですが、傾向が診断という形でハッキリして、その人の自己理解や現状にとってプラスの効果があると思われるときは、病院やクリニックの受診と検査を勧めることもあります。社会保障やサポートも受けやすいので!
っと、話が逸れましたが、この本はASDをもつ女性が、ライフステージごとに訪れる出来事、内なる葛藤や戸惑いなどを含めた目に見えない困難さ、就職、セクシュアリティ、恋愛、妊娠と育児、不調との付き合い方、あるといいサポートと周囲の理解などなど、複数のASD女性からの体験談を交えて書かれています。
ASDの特性の出方は本当に人それぞれだったりするので、なかなかASDの人はこう!っていう明言できる固定のものってあまりないんですよね。どっちかというと、これこれこういう傾向があるのは、ASDの特性からくる何々かもしれないみたいな。(巷ではASDの人はこう!ってのがなきにしもあらずですが…🤔)
この本は、一つのテーマに複数の方のコメントがあるっていうのがいいと思ってます。背景にASDの特性が影響しているのは共通だとしても、色々な価値観、受け取り、解釈があり(真逆だったりすることも)、そのどれかに、わかる〜!と共感できるものが一つでもあれば、生きる上で何かのヒントになってくれるのではないでしょうか。
本書冒頭にも書かれているのですが、自閉スペクトラム症とその特性について基礎知識があることが前提となっている本なので、予備知識はいくらかあった方がいいかもしれません。
興味がある方は、ぜひお読みになってくださいませ〜📖✨
それでは、本日はこの辺で!
ここまでお読みくださって、本当にありがとうございます🍵
今夜もゆっくりお休めますよう💫
🌻こちらもご覧いただけると嬉しいです🌻
カウンセリングサロンArk(アーク)杉並のホームページ
カウンセリングサロンArk(アーク)杉並のTwitter
カウンセリングサロンArk(アーク)杉並のInstagram